第1章

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私の見たことのない、弾けんばかりの最高の笑顔。 透き通るような白い肌に、真っ白なウエディングドレスが映えていて。 「いいなぁー」 つい、口からこぼれてしまった感嘆の声。 「ナニ、こーゆーの好きなの?」 「そりゃ、憧れますよ。 ましてやこんな身近な人の姿見たら」 ぐいっと顔を寄せて先生も、もう一度ハガキを覗き込む。 「アンタが着たら、七五三だろうネ」 「…………言われると思った」 分かっていたけど言われたら悔しいから、むぅとなる。 「…………ま、そのうちにね」 「え?なんか言いましたか?」 ぼそりと呟かれた言葉が聞き取れなくて、顔を上げて尋ねると。 「ナンデモナイ」 そう言ってひとりニヤニヤする先生がいた。 「あ、それから。 携帯出して」 「?」 不思議に思いながら、ポケットから携帯を取り出した。
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