非日常な日常

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私の名前は、神谷蛍。 小学6年生。 今日も私の前では、見慣れた光景が繰り広げられていた。 「蛍、早くご飯食べなさい」 にっこり笑って話す、エプロン姿のコレが私の親。 と言っても血の繋がりは無い。 3年前にシングルだった親が結婚して、私にも二親が出来た。 可愛い服が好きで、実際より若く見られて、たまに姉妹に見間違えられる。 本人は、それを楽しんでいたりするのから、厄介なんだけどね。 そして、慌ただしく朝食を食べているもう一人の親。 「蛍、母さんの言うことに返事しなさい」 「ちゃんと食べてるじゃない」 そう返事をしてサラダを食べる。 別に無視をしているわけでは無い。 ただ、この人を母親と呼ぶには抵抗があるだけだ。 「良いのよ。あなた…」 すると、悲しそうな表情の妻を抱き締めて 「いつか、蛍も分かってくれる」 と、二人の世界に入る。
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