非日常な日常

3/10
前へ
/11ページ
次へ
またか… 相変わらずのラブラブに、朝食を口に詰め込み早々に家を出ようとする私の前に、アレが現れた。 「蛍は、もっと食べ無いと成長しないでし」 それを確認した瞬間に、私の右手にはハエ叩きが握られ話終わらない間に叩く。 「蛍、父親になにしゅるでし」 この、小さな生き物は私の父親だと言い部屋に時々出没する。 自称『妖精王』 確かに、私の父親は誰かは分からない。 母親は未婚で私を生んだ。 ちらっと、その母親だったはずの親を見る。 ちょっと剃り残しのヒゲがある顎。 筋肉が付いた腕。 今は男にしか見えない、元母親を見た。 突然、自分に正直に生きると宣言して男になった元母親。 そんな母親の幼馴染みで、働いている間子守をしていた現在の母親。 しかし、コレは元男。 戸籍上は、父親になるどう見ても女にしか見えない親。 戸籍上は、母親で私を生んだ今は男にしか見えない親。 そんな両親と、時折出没する自称父親の妖精王。 しかし、家の外はもっと変な世界だった。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加