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またか…
相変わらずのラブラブに、朝食を口に詰め込み早々に家を出ようとする私の前に、アレが現れた。
「蛍は、もっと食べ無いと成長しないでし」
それを確認した瞬間に、私の右手にはハエ叩きが握られ話終わらない間に叩く。
「蛍、父親になにしゅるでし」
この、小さな生き物は私の父親だと言い部屋に時々出没する。
自称『妖精王』
確かに、私の父親は誰かは分からない。
母親は未婚で私を生んだ。
ちらっと、その母親だったはずの親を見る。
ちょっと剃り残しのヒゲがある顎。
筋肉が付いた腕。
今は男にしか見えない、元母親を見た。
突然、自分に正直に生きると宣言して男になった元母親。
そんな母親の幼馴染みで、働いている間子守をしていた現在の母親。
しかし、コレは元男。
戸籍上は、父親になるどう見ても女にしか見えない親。
戸籍上は、母親で私を生んだ今は男にしか見えない親。
そんな両親と、時折出没する自称父親の妖精王。
しかし、家の外はもっと変な世界だった。
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