第3話 ニューヨーク雑感

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 ・ニューヨーク着・ 日本でニューヨークというと 浮かんでくるのは摩天楼。 ニューヨーク市と ニューヨーク州の違いを 全く知らないまま、 それどころか、 私の中ではマンハッタンだけが 一人歩きをしていたのです。 ところが 私が住んだニューヨークは、 ハドソン川沿いの郊外の町。 シーズンオフの軽井沢のような 緑の多い森の中みたい。 都会が好きな私には、 贅沢と承知ですが 辛いんです。 そこは、野生のリスや ラクーン(タヌキみたいな)が、 たまにシカやスカンクが 遊びに来るといった、 静かなのどかな村でした。 当時の私は 「のどか」が苦手で。 刺激ある都会の喧騒が 大好きでしたから、 夏目漱石ではないですが、 あ、彼はイギリスで ノイローゼになって しまったのですよね? おそれ多くも 私も、もしかして、 と思ったほどでした。
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