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「俺だけじゃなくぅ、聖蘭まで脅かしてくれたみたいだし」
相田は倉科の方に顔を向ける。
脇で見ていた倉科は手を振ってこたえる。
昨日の食堂でのこと言ってるわけだ。
そっちからしかけてきたくせに。
「俺も昔より丸くなったけどぉ、もう許さねぇから。俺らエメラルド。チームカラーは緑ぃ。府中シメてる最強チーム。今からお前ヤキだからぁ」
アホ丸出しの喋り方、マジウザイわ。
「先輩とエメラルドの皆さん。女子高生一人にイカツイ男が三十人って、かなりダサくない? それで府中最強? 超ウケるんだけど」
私は鼻で笑う。
男達が殺気立ち、これみよがしに得物を構えた。
私は男達を見回して全員にガンを飛ばす。
そして腹の底から怒鳴った。
「タイマンはる度胸もねぇ、根性無しが! 全員病院送り確定だ!」
私は両拳を固く握り締め、男達の中へ飛び込んだ。
意表をつかれた男達はフリーズする。
近場の奴の腹に先制の蹴りをいれる。
蹴られたやつはリバースして、前のめりに倒れた。
男達は我に返り、私を取り囲んだ。
左右両側から鉄パイプが振り下ろされる。
両腕で受け止めて、右の鉄パイプを掴む。
普通なら腕折れてるけど、私は平気。
かなり痛いけどね。
持ってた奴を地面に引き倒し、背中を思い切り踏んづける。
左の奴が再度鉄パイプを振りかぶったんで、そいつの下あごに上段蹴りをお見舞いする。
顔に向かって横殴りに振られた金属バットをのけぞってかわす。
そのままバク転して、後ろにいた奴の顔面に、つま先を突き立てた。
そいつは顔を両手でかばうようにしてくずれおちる。
スカートの中はオーバーパンツ履いてるから見せ放題。
追ってきた金属バットの奴の前で身をかがめ、足払いをかける。
そいつは両足を中に投げ出して、後頭部から地面に倒れた。
「スリングショットだ!」
相田の焦った声が聞こえた。
頭、腕、背中、太腿……。
突然、身体のあちこちに衝撃を受けた。
皮膚や筋肉は当然だけど骨にまで響く激痛。
特に頭の衝撃はハンパじゃなく、下手すれば命取りになりかねない。
男達は接近戦をやめ、距離を取っている。
私は両腕で頭と顔を防御し、腕の隙間から様子をうかがった。
何人かがスリングショットのゴムを引き伸ばして、私を撃つ。
体中にまた激痛が走る。
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