きみのために

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「…ケンカでもした?」 「ケンカなんかじゃ…」 「まぁ、手を繋いでるくらいだしね 仲良しだよね」 佐条くんは冷静に返す あたしは思わず首を振った 「仲良く見せているのは 佐条くんのふりをした 有宮くんと、です……」 「あぁ…」 佐条くんは 何かを悟ったのか そのまま黙ってお弁当を食べた 「ごちそうさま」 丁寧に包むと ため息をついた 「次男のジローさんが 作ってくれる このお弁当 結構好きだったんだけどな」 ぽつりと佐条くんが 呟いた
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