連れ去られた心

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見守るって決めたのに どうしても 近付きたいと願ってしまう 彼のために できることをしてあげたい 有宮くんの 切なげな瞳を思い出して胸が疼いた 駅へと向かう抜け道へと 入った時だった 「ねーちゃん」 背後で声が響いて あたしは思わず振り向く 「……っ」 そこには 見覚えのある制服の男子が 立っていた 「アンタ、有宮シローの女、だよね?」 四北高校の生徒だった 「……」 何も言えず 足が竦む 周りには人気がなかった
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