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「いやいや、いやいや。俺みたいな未熟者、先輩に手合わせしてもらう程の者じゃないですよ」
「む、我は少々仕事が立て込んでいるので、辞退します。」
二人が、勢い良く拒否ってくる。
二人は、別に弱い訳じゃ無い。
ただ、俺達が今いる道場で一番年下で、しかもちょっと他のみんなでしごきすぎた感がある。
まあ、あれだ。サーカスのゾウは、子供の頃から、鎖に繋がれていたら大人になってもその鎖は切れない物として諦めてしまうらしい。
要は、二人共この状況に陥っている。
分からなくも無いんだけどな。
二人共、異世界で魔王やら、勇者になった事が有るらしい。
けど、それが何だ?
魔王だろうが、勇者だろうが精神はまだ、子供だ。
ちょっと、銃弾飛び交う戦場に落としたら、半泣きになっていた。
「ひぃっ!?鈴檎先輩が、悪魔のような笑顔を!?」
「あう。いかん!!撤退だ」
そう言って、黒髪の方は電線から飛び降りる。
「あ、待てよ。ニート!!俺を置いて行くなよ」
銀髪の少年も、飛び降りる。
二人が、着地した瞬間に地面が眩く輝いた。
「眼が、眼がああぁ!!」
俺が叫んでいるうちに、二人は消えていた。
「ちっ!?逃がしたか」
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