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小さく呟いて、俺は二人が消えた地面を見つめる。
「まあ、いいか。帰ってきたら、思いっきりしごけば」
幸い、あいつらが帰ってくるのは結構速い。
恐らく、夕飯時には帰って来るだろう。
「く、くくく。があっ!?」
二人を、しごくのを楽しみに笑っていたら、頭に凄まじい衝撃を感じ、俺は倒れ込む。
顔を生ぬるい物が、伝う。
それは、鉄臭く気持ち悪い。
有り体に言って血だった。
「あー、何?隕石でも、ぶつかった?やばい。この血の量、死ぬかも。え?何?二人を苛め過ぎた罰か何か?」
纏まらない思考で、俺は考える。
というか、こんな事で死んでたら、師匠に殺される。
あの人なら、天国だろうが、地獄だろうが、嬉々として俺を、鍛え直すとか訳の分からない事を言って、殺しにくる。
そうだ、あの人に比べたら俺なんかまだまだだ。何と言っても、あの人は異次元の人だから。
そう、俺の言う異次元への行き方とは、あの人が居る道場の扉を開ける事だ………。
阿呆な、事を考えていたらいよいよ意識がヤバくなってきた。
最期に、俺の死因である隕石を拝んでやろうと思い、そちらの方を見る
そこには、隕石は無かった。
代わりに有ったのは
「が、ガンガン行こうぜ?」
分厚い漫画雑誌だった。
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