単独任務

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ジュエル ギルドマスター室。 黒塗りの光沢のある机。そこで黙々と書類に目を通す男がいた。 彼の名はジル・キーファ。 上位ギルド ジュエルのギルドマスターだ。 キースとは幼馴染であり、若くしてギルドマスターに就任したジル。 ギルドランクは最高のZ。 この世に2人しかいないうちの1人だ。 ちなみにもう1人はキース。 そして有志はキースの任務に同行することでZランクの1つ下のXXまで上げていた。 「なあ、ジュリア。何でお前はここでケーキ食ってんだ」 ジルが真剣に仕事をする横では優雅にケーキをたべる女性がいた。 「いいじゃない。仕事はちゃんとしてるでしょ」 ジュリアと呼ばれた女性 彼女の名前はジュリア・ハーツ。 非常に優秀な秘書なのだが、自分の仕事が終わるとジルが仕事をしていようとも平気でおやつを食べる。 ジルとジュリアのこのやりとりは日常茶飯事であり、ジルは何故自分の分は用意してくれないのだろうと少しだけ落ち込むのだった。 コンコン ギルドマスター室のドアがノックされる。 「どうぞ」 「失礼します」 そこにはキースと有志の2人が居た。 「よう。ジル。任務終了だ」 仕事から解放されたからかすっきりしたキース。 「ゆうーーーしーーー」 ジュリアが有志の姿を捉えると獣のような速さで飛び出す。 有志は成すがままにジュリアに抱き着かれ頭を撫でられていた。 「お疲れ様。やっぱりキース、有志のコンビは仕事が早いな」 「当たり前よぉ。俺には最強の息子がついてるからな」 「キース。ジル、助けてよ……」 有志は色々な意味で照れると顔を少し赤らめる。 「相変わらず親ばかだな。まあ有志の実力があればそうなるのも仕方ないか」
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