嘆き 

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窓ガラスを通して、夕日のオレンジの光が差し込む。 日中とは違い、殆ど人気がなくなり空席が目立つ教室。 その中で窓際の一番後ろの席を囲うように10歳ぐらいの4人の男子生徒が座っている。 教室の入り口には{4-3}のクラスプレートがある。 放課後のようで辺りには誰もいなかったのだが、余程聞かれたくないのだろうか。 ひそひそとした話声がする。 「おい。好きな人教えろよ」 定番のトークテーマだ。 小学生はこの話題により、友情の確認として秘密の共有をしたがったり 「せーの、で言おうぜ」 「「「「せーの」」」」 「「「「……」」」」 相手の弱みを握る為、駆け引きが行われたりする。 「なんで言わねーんだよ!」 お前も言ってないだろ、とツッコミたい所だが…… このさっきから仕切っているグループのリーダー的男子が強引に聞こうとする。 (以降、この少年を男子リーダーと命名する) 「最初に言ったヤツにこの封魔具やるよ」
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