たすけて

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  「ママどこ~?ママ~!!」 熱風吹き抜けるコンクリートジャングル。 その隙間で響く、遠くのセミの声に混じった小さな女の子の声。 高いビルの影で、真昼だというのに薄暗くなったその路地には、少女以外にもポツポツと人がみられた。 だが誰もその子に近寄ろうとはしなかった。 「ママ~!ママ~!!」 少女の泣き声はしだいに大きくなり、虚しく響き続ける。
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