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皆が向かっていたのは茶道室。
これからお作法の授業が行われるらしい。
やはり、淑女になるには礼儀作法を身につけるのは当たり前なんだろうか。
シスターからちょっと話しを聞いたが卒業後にすぐに結婚する子も少なくないそうだ。
そしてその相手は政治家や財界の人間の御曹司、つまり上流階級の人間。
まだ遊びたい年頃のはずなのに、親の都合で結婚するなんて本人達はおかしいと思わないのだろうか。
茶道室の後ろに佇みながら、そんなことを頭の中で考えていると、先生(もちろん女性だ)がオレの方をジッと見てきた。
そして。
「せっかくなので河野さんも授業を体験していかれませんか?」
と、声をかけてきた。
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