エピソード 5 『自転車に乗った仙人』

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先に出るべきだった 仙人を見送る自信がない・・ 取り残された方が辛い 俺は何と言ったのだろう きっと笑えない顔で無理矢理 笑った事だろう 仙人が去るという事を 皆さびしがった 翌日出発の日 仙人のバスもまた夕方発だった 朝いつもの様にお茶を飲み 昼も珍しく一緒に食べた かと言ってとりわけ特別な 話しをするわけでもなく ただ時間を共に過ごした 名残惜しいのか 悔しさをぶつけたいのか 何を言いたいのか とにかくいつも静かな 2人だがこの日も同じ様に 静かに過ごした ただ仙人が先に出て行く 仙人が出て行った後の 自分に訪れる想いが恐かった
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