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遠くからバイクのエンジン音が近づいてくる。街から離れたこの村はいつも静かなため、余計に響いて聞こえる。
中央公園の脇にある駐車スペースの近くに止まる。ここで、やっと二人乗りだったことに気づいた。
前に乗っていた者が降りてヘルメットを外し、公園の中へと歩き始める。後ろに乗っていた者はヘルメットを外したままバイクから降りない。
しばらく見ていると、自分の足元を見ては片足を上げようとして止めるを繰り返している。手を振って先程降りた者を呼び寄せ、手を伸ばしている。
どうやら降りれないようだ。なかなか来ずにイライラしているのか、バイクの下の方のごちゃごちゃしている部分を足で叩き始めた。
現在、22時30分が過ぎようとしている。早くしてくれないだろうか。そんなに暇じゃないんだ。いや、今日はもう予定はないが。
バイクから降りた身長差の目立つ二人がこちらへやってきた。予想通りの二人だった。
背の低い方が村長。背の高い方が書記さんだ。村長はいつもなぜか髑髏の仮面を付けている。書記さんは眼鏡をかけたとても綺麗な人だ。
村長はどうでもいいが、書記さんは毎週見ても飽きない。何を食べればその細い足になるのだろうか。
公園の中央にあるジャングルジムに村長が登る。一番上まで登り夜空を仰ぐ。空の何処かに頷くと、一つ下の段に降りて座る。
そして、今週も始まる。
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