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村長が解散を告げると、村民は各々帰っていった。
村長は満足そうにジャングルジムから下りると、バイクへと向かう書記のところへ走った。
「ねぇねぇ、書記さん、ほめてほめて!また私、仕事頑張ったよー!うっほほーい!! 」
「はいはい、頑張った頑張った。今日も夜食必要なんですか?」
軽くあしらう書記。村長はそれをも気にせずに続ける。
「 いらない日なんてない!いつだって向上心は大切なの!」
「向上心ねぇ。背を伸ばしたいだけなんしょ。 」
「う、うるさいなぁ!!まだまだ成長期だよ!! 」
「成長期ですか。あなた今おいくつですか? 」
「もう少しで20になります!大人だよ!びっくりだよ!」
「びっくりなのは私です。もう20歳になるんですね。」
「 書記さんもびっくりするんですね。私はそれにびっくりです。」
二人は先程乗ってきたバイクに乗る。ヘルメットを被りながら書記が後ろに乗る村長へ声をかける。
「20歳だともう身長は伸びないのでは?」
「 は?何言ってんの?私の母上は20歳から30歳の間に身長が1㎝伸びたのよ。その子どもが身長が伸びないなんて可笑しいわ! 」
「そうですか。応援してます。身長が伸びるといいですね。」
書記はエンジンをかけて再度振り向き様に言う。
「あれ?もしかして村長、身長伸びました? 」
不意打ちだったのか、数秒の後に村長が驚く。
「え!?伸びた!?本当に!!? 」
「私は目が悪いので見間違いでしたらすいません。」
「いいのよ!そのくらいの見間違いするくらい!誰にだってあるものよ。」
「明日になってしまいます。帰りましょう。」
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