1.ある村人の意見

8/9
前へ
/32ページ
次へ
 村長が解散を告げると、村民は各々帰っていった。  村長は満足そうにジャングルジムから下りると、バイクへと向かう書記のところへ走った。  「ねぇねぇ、書記さん、ほめてほめて!また私、仕事頑張ったよー!うっほほーい!! 」  「はいはい、頑張った頑張った。今日も夜食必要なんですか?」  軽くあしらう書記。村長はそれをも気にせずに続ける。  「 いらない日なんてない!いつだって向上心は大切なの!」  「向上心ねぇ。背を伸ばしたいだけなんしょ。 」  「う、うるさいなぁ!!まだまだ成長期だよ!! 」  「成長期ですか。あなた今おいくつですか? 」  「もう少しで20になります!大人だよ!びっくりだよ!」  「びっくりなのは私です。もう20歳になるんですね。」  「 書記さんもびっくりするんですね。私はそれにびっくりです。」  二人は先程乗ってきたバイクに乗る。ヘルメットを被りながら書記が後ろに乗る村長へ声をかける。  「20歳だともう身長は伸びないのでは?」  「 は?何言ってんの?私の母上は20歳から30歳の間に身長が1㎝伸びたのよ。その子どもが身長が伸びないなんて可笑しいわ! 」  「そうですか。応援してます。身長が伸びるといいですね。」  書記はエンジンをかけて再度振り向き様に言う。  「あれ?もしかして村長、身長伸びました? 」  不意打ちだったのか、数秒の後に村長が驚く。  「え!?伸びた!?本当に!!? 」  「私は目が悪いので見間違いでしたらすいません。」  「いいのよ!そのくらいの見間違いするくらい!誰にだってあるものよ。」  「明日になってしまいます。帰りましょう。」
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加