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プロデュース
インディーズの人気ロックバンド「BRAKE」
俺はそのギターボーカルの「FIRST」だ。
数々の人気バンドを送り出した敏腕プロデューサーの手により、
この度メジャーデビューする事になった。
「私がプロデューサーの前出だ、
よろしくBRAKEのみんな」
「あの前出さん、
メジャーデビューはボーカルの俺だけで、
バンドは別の奴らっていう音楽業界にありがちな奴はないですよね?
俺とコイツらは一蓮托生!
長年連れ添った仲間ですから」
「ハハハそんな事ないよFIRST君。
むしろボーカルの君だけいらないよ」
「えぇ~!俺だけっすかあぁあぁああ!?
じゃあコイツらは誰の伴奏するんですか!?」
「目の前にいるじゃないか、私だよ。
実は私も趣味で音楽をやっていてね、
反抗期の娘は私がプロデュースしたバンドの曲は聞いてくれるのに、
私自身の曲はダサいと言うんだ」
「はああぁ!?貴方プロデューサーでしょ!?
知らねーよあんたの家庭事情なんて」
「プロデューサーだからこそだよ、
娘が好きそうな音楽性の君らBRAKEのボーカルになって娘に認められたいんだ!」
こうして前出さんがボーカルのBRAKEはメジャーデビューしたが、
世間にも娘にも受け入れられなかった、
自分の事だと客観的なプロデュースが出来なかったのだ。
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