お菓子い話

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お菓子い話

私は一流パティシエ、 フランスの一流菓子屋に弟子入りして努力し、 ついに世界一の菓子職人となった。 私のスウィーツアートは批評家たちから多くの賞賛を浴びている、 今回は発表会に親子連れを呼び、 未来を担う子ども達に見てもらい感性を磨いてもらいたい。 「わあ砂糖で出来てるとは思えない程、 繊細で大胆な出来映えですね! ほら、きよもりも見なさい」 母親は私の作品をよく理解しているな、 息子はどうだ? 「わあすっごいこれ本当にお菓子!?美味しいかな?」 パクッ 「コラ!きよもり!パティシエが端正込めて作った芸術作品を食べるんじゃありません!!」 「うえ~ん!お菓子なのに食べちゃいけないなんてヒドイよ~!」 叱られ泣く子どもを見て私は気付いてしまった。 幼い頃から虫歯になっても大好きだったお菓子、 それを作れるパティシェになるため努力してきた。 味だけでなく見栄えも気にする様になり、 批評家に褒められるためスウィーツアートを作る様になった。 私は見た目が良すぎて食べられないという、 お菓子どころか食べ物として致命的な物を生み出していたのだ。
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