奇妙な女子

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「近藤さんがいるって事は試衛館派勢揃い?」 何故局長の顔と名を知っているのか、俺に尋ねる秋野に頷けば唸られた。 「そーだと近藤さんを挟んで土方さんの逆側が山南さん?ーで、源さんと……藤堂さんはわかりやすい、けど原田さんと永倉さんがどっちかわからないなぁ。お腹の傷見たら一目瞭然なのに」 そして、い並ぶ面々の名を紹介もなしに視線を向けあげていく秋野に、声がでなくなったのは俺だけではない。 「あぁそうだ、改めて自己紹介しとくね。……先の世で神隠しにあい、時渡りした秋野千里です」 片手を軽く上げ、ひらひらと動かし名乗った秋野は水を補給したお陰か元来の様子に戻っていた。 「ん、土方さん何か言いたげだけど何かある?」 「……テメェ、なんで俺等の名を知ってんだ」 不機嫌を露にした副長が睨み付け言うが、堪(コタ)える様子も見せず秋野は口を開いた。 「いやだって新撰組……今はまだ壬生浪士組?の幹部って有名だし。つってもそうだねー、そこまで知らない人でも新撰組といえば鬼の土方、天才剣士沖田って言えるくらいのね。でもまぁ鬼と仏はセットだし、剣豪だと沖田、永倉、斎藤だしね」
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