奇妙な女子

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俺と秋野の間で抜き身の刀が光を浴び煌めく。 「……なんで止めたんだよ」 緊迫した間を破り、どさりと音をたて縁側に腰を落とした秋野は、手を額に当て、睨(ネ)め付けるような視線を副長に向けていた。 だがその額には汗を滲ませ、顔……いや、唇すら白く血の気のない色に変えて。 「テメェの話し方が妙だったんでな、思い出したんだよ。……死にたがってたっつー話をな」 「……ッ、上手く事を運べたと思ったのに」 ……つまりわざと怒らせたという事か? 「あーもういい、わざと死ぬのは諦める。……斎藤さん、利用してごめん」 深々と息を吐いた後の謝罪は軽く、謝罪に思えない物だったがそこに至るまでの彼女の考えが気になり、俺は口を噤み、抜いたままだった刀を鞘に戻した。 「あー、んじゃとりあえず……持ち物検査、今だと荷の改めって言えば伝わるかな?……それするから」 藤堂さんと秋野は呼びかけ、藤堂の後ろにあった布袋を取るように言った。 秋野は礼を言い袋を受けとると、奇妙な音を鳴らして袋の口を開いた。
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