4104人が本棚に入れています
本棚に追加
/773ページ
俺はチャイムを鳴らすスピードを上げた。
手首のスナップをきかせて指を素早く動かす。
そのうち訪れるだろう、くれあとの夜のために練習を重ねてきた指だ。
ピンポーンという音がピンポンになり、ピンポになり、ピポピポピポピポ……。
「うっせえぇぇぇぇえええええ!!!! 朝から連打すんなクソガキが! ダッシュかましたら鍋投げんぞ!!」
現れたのは、光り輝くスキンヘッドの中年オヤジ。
くれあの父親だ。
誰がダッシュなんかするか、ボケ。
俺はスキンヘッドを睨んだ。
「おい、くれあはどうした」
最初のコメントを投稿しよう!