「入学」

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「かなちゃん遅いよ~ あの後無事に校長室に行けた??」 「行けたことは行けたけど、無事と言われれば……」 チラッと斎坂を見る。 「……」 バチっと目が合ってフリフリと手を振られた。 犯されそうになったなんて口が裂けても言えないよな……はは。 「まあ君達全員席に着いてねぇ~、ほら 宵月くーん、自己紹介してねぇ~」 「はあ!?俺!?」 「もう皆は終わっちゃったんだよ~ それに、君のその顔だと女だと誤解されてるかもしんないぞ~?」 痛いところを突かれた……。 言われてみればそうだ、周りの目線は俺に注がれている。 しゃーないか……。 男らしく自己紹介してやる! 「名前は宵月奏! 趣味は音楽を聞くこと! 見ためと名前は女っぽいけどちゃんと男だから! 以上!!!」 決まった……っ!!? 男らしいよな!?今の凄い男らしい! 「かなちゃん可愛い~!!!!!!」 あ……? キョロキョロ周りを見渡せば……。 「なあなあ可愛くねっ?」 「わかる!男でもいいから食いたい!」 「むしろ俺男がいい!」 俺を見て話すクラスのやつら ヒソヒソ話してるつもりだろうけど、全部聞こえてるっつの……。 「まあ、その、なんだ。 これから頑張れよ~」 斎坂めぇぇぇぇぇ!!!!! これから一体俺はどうなっていくのでしょうか……。 男らしくなれるのでしょうか……。 不安で不安でたまりません(泣)
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