嬢王たちのその後[カオリ編]

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キャバクラの仕事を始めたばかりで、まだ仕事にも慣れていない頃―― 愛さんに 「すんごい気前の良い紳士が来てるよ!」 と言われ、 “美味しい食べ物注文してもらおー” なんて軽い気持ちで倉田さんの居る席に向かっていた。 そしてそこに座る倉田さんの姿を見て、私はドン引きした記憶がある。 だってこの人は過去、見知らぬ私に 「あ、あの、踏んづけてくれませんか!」 なんて話しかけてきた人だから。 …変態が座っている。 ただただ、冷や汗を流して時が流れるのを待っていたっけ。 「お店に倉田さんが来たときのこと、覚えてますよ。 変態紳士が…きた、と」 「え!?店で初めて会ったとき、僕、そう思われていたんですか…」 ガックリさせてしまったかな? 少し反省する。 「…そう思われていたのは少し嬉しいですが」 と言いながら、倉田さんは顔を赤らめていた。 いや、褒めてないですけど。 久しぶりに会う倉田さんだったが変態は全然変わっていなかった。 「でも、思い出してほしいのはそこじゃないんです。 初めてお店で会った時に僕が言った言葉です」 「…言葉?」 倉田さんが言った事? 私は脳内から古い記憶をまさぐり必死でその時を思い出す。 確か…
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