92人が本棚に入れています
本棚に追加
/32ページ
それでもやはり、現実は厳しい。
カオリは何度、面接を受けても採用が決まらなかった。
だから私は試しに、キョウコメイクをして履歴書を送り、面接に行ってみた。
キョウコの仮面をかぶっていると私は緊張感が薄れたし、思ったこともハキハキと話せた。
しかし反面、面接官に気に入られようとものすごく、必要以上に気を遣っている事にも気が付いていた。
そんなことを内心で思いながら面接を受ける。
…結果、すぐに採用通知が家に届いた。
私はそれを見て体の震えが止まらなくなる。
やっぱり、キョウコは必要とされているのに、カオリは必要とされていない。
現実を知って涙が止まらなくなる。
最初のコメントを投稿しよう!