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キャバクラを辞めたのに、嬢王の仮面が外せない。
だからといって、もう嬢王の仮面をつけたまま、必要以上に気を遣いながら、元気で明るい良い子を演じながら生活するもの疲れちゃったんだ。
ありのままの姿でも笑っていたかったけど、それは私のわがままなのかもしれない。
だって、人はカオリよりもキョウコを求めているから。
ふと棚の上にあった1枚の写真が目に入る。
――お父さん、お母さん。
それはまだ小学生だった私が両親とともに笑顔でピースサインをしている写真。
この頃は楽しかったな。
化粧をしなくても私はこんなにも笑顔で過ごしていたんだ。
お父さん、お母さん。
二人なら、いつでもありのままの私を受け入れてくれてたね――
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