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後日。
無事、病院から退院した俺は久しぶりに学校へ登校した。
久しぶりの教室に入れば。
心配していたダチ達が駆け寄り、俺の肩を叩いてくる。
「よぉ、ミラクル王子」
みらくるおうじ?
俺は聞きなれない言葉に顔を歪めた。
いつの間にかあだ名が変わっている。
「お前、マジ心配したんだからな」
「もう学校出てきて大丈夫なのか?」
あー、まぁ。うん。めちゃくちゃ元気だし。
「病院で余命受けたわけじゃないんだよな?」
全然。普通に元気。だから退院してきたんじゃねぇか。
「絶対だな? 隠し事ナシだからな」
おぅ。色々と悪いな、心配かけて。
言葉なく。
ダチ達が俺の背をぽんぽんと軽く叩いてくる。
元気ならいいんだよ、とばかりに。
ふと。ダチの福田が俺に声をかけてくる。
「ってかさ、お前最近ずっと不思議続きだよな」
「行方不明になったり死の淵から甦ってきたり。ほんとミラクルばっかっていうか」
「実はお前、神様なんじゃねぇのか?」
「なんかお前を拝んどくとご利益ありそうだな」
ぱんぱん。
――って、コラ。俺の前で手を合わすな、縁起でもない。
「どうせご利益あるなら頭の方にあってほしいな」
「来い! 俺の未来にミラクルビーム!」
「志望校に受かりますように!」
「無理無理。そこまでご利益ねぇって」
オイ。
「よし。じゃぁレベル下げてオレは次のテストで平均取れますように」
「馬鹿、どうせなら満点と言え。そこは」
「南無南無……」
一斉に拝んでくるな! お前ら全員神社へ行け!
――ふいに。
クラスの女子数人が、俺の名を呼んで集ってきた。
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