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学校が終わり、その帰り道。
俺と上田は公園のベンチで腰掛けて話していた。
上田が朝倉のことで相談してきたのだ。
深刻な顔で相談してくる上田に、俺は今頃になってようやく朝倉の異変に気付いた。
上田が俺にぼそりと言ってくる。
「――どう思う?」
……。
「朝倉の奴、マジでヤバくなってきている。オレもたいがいゲーマーだけどさ、あそこまでいくとさすがに……」
飯、ちゃんと食ってた感じだったか?
「飯どころか寝てないんじゃないかって思う」
そんなにヤバイのか?
「……」
俺の問いかけに上田が無言で頷く。
……。
しばらく間を置いた後。
俺は静かにベンチから立ち上がった。
そして見上げてくる上田に、俺は真顔で告げる。
なぁ上田。俺たち、朝倉のダチだよな? だったら手を差し伸べてやるのもダチなんじゃないかって思う。朝倉にどう思われようと、俺は朝倉をこのまま見捨てることなんてできない。
ガタリと。
上田が勢いよくベンチから立ち上がる。力むように拳を握り締めて、
「だ、だよな? オレもダチだからさ、朝倉をこのまま放っておくことなんてできない。みんなで一緒に進級したいし、卒業もしたい。――よし! なんとしてでも朝倉を学校に登校させようぜ」
決まりだな。
微笑して。
俺は上田に向けて右の拳を軽く突き出した。
上田が俺の拳に軽く拳を当ててくる。
今から朝倉の家に行こうぜ。
「おう!」
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