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朝倉の部屋は二階にあった。
俺と上田は階段を上る手前で足を止め、様子をうかがうようにして真下から二階を見上げた。
ひしひしと築年数を感じる昔ながらの和風な家。
二階の窓が全て厚カーテンで閉めきりになっているせいか、仄暗く不気味な感じが漂っていた。
その二階には朝倉だけしかいない。
昔は姉たちの部屋もあったのだが、姉たちは自立して今は物置部屋状態になっている。
だからこそ余計に水を打ったように静かだった。
長く換気をしていないせいか、漂う空気もよどんでいる。
俺と上田はごくりと生唾を飲んだ。
上田が震える声でぼそりと俺に言ってくる。
「な、なんかさ、【呪怨オンライン】みたいじゃね?」
俺は無言で上田を睨みつけた。
「ご、ごめん」
そんな上田を背後に連れ、俺は二階への階段を一歩踏み出した。
踏みしめた際、和風独特の軋む音がゆっくりと静かに鳴り響く。
……。
静かだ。
一歩。
また一歩と。
俺と上田はゆっくりと階段を踏みしめていった。
なんだろう……嫌な予感がする。
いつもの遊びに行く感覚と全然違う。
高鳴る心臓。
緊迫した空気が張り詰める。
俺の手の中は嫌な汗でぐっちょりと濡れていた。
上田の言う通り、まるで本当に和風ホラー映画を体験しているみたいだ。
呪われているというか何かに取り憑かれているというか、そんな嫌な雰囲気が漂っている。
いつ二階に白い服を着た女幽霊が佇んで居ても不思議じゃない。
――ようやく階段を上り終えて。
俺と上田は二階の小さな踊り場で足を止めた。
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