Memory

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「じゃあ、部長、任せた」  しかし進は僕の考えを裏切ってわざわざ離れていった。 小さくため息をついて僕は部員を集める。 「今日も先生は来ないみたいです。こういうときはいつも通り練習、って言いたいのですが、四日間体動かしてなかった人もいると思うので今日は外周から始めたいと思います」  はい、と短くそろった返事を聞いて僕は進のもとへ行った。 と、そこで驚きの人物が僕の視界の隅に映った。 早坂美波だ。  同じ部活に同じ学年。はてはメールまでしている。 忘れることなんてあるのだろうか。しばらく惚けていると、進に後ろから叩かれた。 「なに美波ちゃんに見とれてんだよ。まったく、練習中にまで勘弁してほしいね」  すると、その声が聞こえたのか早坂はこちらを見て少し気まずそうにして下を向いた。 「そんなんじゃないよ。早く走ろう」
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