Memory

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「噂なら気にしないで。別に私、大丈夫だから」 「でもさ、早坂お前」  いじめられていないとは最後まで言わないまま早坂は帰ってしまった。 これが彼女なりのSОSであるとするならば、僕は助けなければいけない。 僕が原因の一つであるといううわさもそうであるが、もう一つの噂が僕の頭には引っかかっていた。  翌日、僕は堂坂のクラスに居た。教室には僕と堂坂のほかには姿がない。 「この前言ってた嘘って何なんだ?」 「本当に知らなかったんだ」  やはり堂坂は僕がその嘘が何であるかを知っていると思っていたようだ。 本当に僕が関わっているのだろうか。 だが、だとしたら 僕は昨日、早坂に話してもらえなかったのではないか、という疑問もある。 「早坂さんさ……諒君と付き合ってるって、皆に言ってたの。 諒君はさ、ほら、普段からあんまりそういうことは言わないから早坂さんと一緒に帰ってたこともあって皆信じてたの」
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