Memory

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 メールを確認するとどうやら僕たちは現在、付き合い始めてから半年がたつようだった。 友人たちと比べると長く続いている。 それほどお互いに本気で恋愛をしていたということなのかもしれない。  早坂美波の過去について聞いてまわったが、誰も噂以上のことを知ってはいなかった。 本当にそのような事実があったのかすら疑わしい。 情報が広まるということは発信源となった人物がいるはずであるのに、その人物がどうにも、僕には見つけられていなかった。 よほどうまく周りの人の口を封じているのかもしれない。  わかったことは早坂美波は今まで一度も転校等をすることなくこの中学校に通い続けていること。 そして、いじめを受けたのはこの学校ではないということだった。  そうなると今度は調べる対象が一気に広くなって三つの中学校を調べることとなる。 早坂美波の出身である小学校の生徒は、近隣の中学校に学区ごとに入学するからだ。  普通、部活などでもあまり他の中学とは付き合いを持つことがない。 だが幸いにして僕は各中学校に四、五人ずつ友人がいた。 塾も捨てたものではない。
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