rain of red

10/11
前へ
/11ページ
次へ
【赤マント】 「どうしてっ!」 思わず鈴本さんの服を掴む。 いけない。感情がコントロールできない。 だから僕は引きこもった。人と上手くつき合えなくて、人と直接ふれあうのが恐くて。 必死に奥歯を噛み締め、手を放す。 「すみません」 「いいんだ、責めろ。素直に感情を出したっていいんだ」 いつの間にか泣いていた僕の頭を、鈴本さんがクシャリと撫でた。 わかったんだ。 犯人はメアリー。 メアリーはニュースを「テレビで見てる」と書き込んでいた。 しかし、ネットカフェにはテレビがなかった。 つまり、メアリーはネットカフェから接続していない。接続先を偽っている。 メッセージ『AID』の次は『S』だっただろう。 AIDS……エイズのメアリー。 問題はメアリーの正体だ。 第3の事件は急遽行われた。 こちらの動きを知っていたから……。 僕は鈴本さんに自分の考えを伝えた。 鈴本さんは急いで署に確認する。 やはり既に署を出ていた。 「行くぞ」 「はい」
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

18人が本棚に入れています
本棚に追加