18人が本棚に入れています
本棚に追加
【赤マント】
「どうしてっ!」
思わず鈴本さんの服を掴む。
いけない。感情がコントロールできない。
だから僕は引きこもった。人と上手くつき合えなくて、人と直接ふれあうのが恐くて。
必死に奥歯を噛み締め、手を放す。
「すみません」
「いいんだ、責めろ。素直に感情を出したっていいんだ」
いつの間にか泣いていた僕の頭を、鈴本さんがクシャリと撫でた。
わかったんだ。
犯人はメアリー。
メアリーはニュースを「テレビで見てる」と書き込んでいた。
しかし、ネットカフェにはテレビがなかった。
つまり、メアリーはネットカフェから接続していない。接続先を偽っている。
メッセージ『AID』の次は『S』だっただろう。
AIDS……エイズのメアリー。
問題はメアリーの正体だ。
第3の事件は急遽行われた。
こちらの動きを知っていたから……。
僕は鈴本さんに自分の考えを伝えた。
鈴本さんは急いで署に確認する。
やはり既に署を出ていた。
「行くぞ」
「はい」
最初のコメントを投稿しよう!