rain of red

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気を取り直し俺はひきこに注目する。 「事件があった日は雨。この中で雨が絡む都市伝説はひきこか」 「僕も考えました。ただ、ひきこさんは書き込みを見る限り、女子学生という印象です。もちろんネットでは年齢性別を偽る人がいるので確証はないですが、あんな事件を起こす感じはしませんでした」 「それに今は梅雨ですよ。事件の日が雨でも不思議じゃありません」 俺の閃きは2人がかりで潰された。 現在残っているメンバーは赤貝を含め6人。全員面識はないらしい。 「このサイトの解析を天江に依頼しよう。メンバーの接続先もすぐにわかるはずだ。被害者がメンバーなのかも」 そう言って、ネットが絡むと捜査協力を依頼する天江開を呼ぶ。 俺はパソコンに弱い。 天江は眼鏡をかけた小柄な男。解析は彼に任せた。  *  *  * 【赤マント】 解析を待つ間、鈴本さんが缶コーヒーをくれた。 見た目は恐そうだし、事件で表情は暗いけど、本来気さくな人である事はわかる。 僕にも普通に接してくれる。 思考を事件に戻す。 犯人は誰か。メール文は句点が使われていた。書き込みに句点を使う人物か? 残された文字と都市伝説に関連はあるのか。AIなら人工知能か愛? だが、まだ続きがあるらしい。……次はさせない。 天江さんが戻って来た。 「被害者はサイトメンバーです。他のメンバーの住所と名前もわかりました。ただ、メアリーという方はネットカフェからの接続です」 メアリーさん? 「よし、すぐ安全確保だ」 鈴本さんが立ち上がった。 各自宅には警察官を派遣、僕達はメアリーが接続していたというネットカフェに向かう。 そこは普通のネットカフェだった。 鈴本さんが店に説明し、僕達は店内を確認する。 個室があり、中はデスクと椅子とパソコンのみ。実にシンプルな作りだ。 ………ない! まずい!! 「鈴本さん、他の状況は!?」 僕は叫んだ。
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