第1章

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もっとも29歳で感じるには遅すぎるのかもしれない。 栞はこういうことにはどちらかというと鈍感な方だったため、今まで周囲の圧力を感じなかったのだ。 そういえば、ほんのちょっと前までは、このプレッシャーの名前は「結婚しないの?」だったのだが、このたびとうとうその上に「まだ」が乗っかったわけだ。 デコレーションは苺だけにしてほしいのに。 「結婚適齢期」なんて死語だと思っていたのに。 結婚というものは、自分がしたいときに縁があった男性とすればいいものだと思っていたのに。
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