五年前

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「あ、俺一時間くらい練習したら、今日はもう帰るから」 「え、そうなんだ?」 「そそ。ちょっと女子から呼び出さゴフッ」 彼方が唐突に呻いたかと思うと、 春輝が彼方を殴ったからだった。 「ほんっとイヤミだなあ。ちょっとモテるからって五月蝿いよ?」 …また始まった。 毎日恒例、女子が話題の喧嘩。 「ボクなんか、ボクなんか彼女できたことないのに!」 「知らねーし!男子から告られてんだから良いじゃん!」 …そうだったのか。 「あぁもううるせーなぁ、家の用だよ家の!」 「なーんだ。じゃあ練習やろーう♪」 切り替えの早い春輝。 そんなわけで、今日も練習を始めた。
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