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Ni-naに行く事を止めた私たちは、思い出話に耽りながら私の自宅を目指していた。
助手席にいいるのは初恋の“じゅんくん”。
まさか彼がこんな身近にいたなんて・・・。
家に向かう車の中で、俊哉はこう話していた。
「俺さ、都那の初恋の相手が俺だって事を知って、実はすごく嬉しいんだよ。」
「どうして?」
私が聞き返すと、俊哉は顔を赤らめ恥ずかしそうに俯いた。
「今だから言えるけど・・・、俺の初恋の相手もお前だったからさ。」
「・・・うっそ!!」
「おいおい、ここで嘘吐いてどうするんだよ。
あ~あ、もっと早くこの事実を知ってたらなぁ・・・。」
照れくささを誤魔化すため、私たちは思わず笑い合った。
私の問いに続く彼の返事は照れ笑いによって誤魔化されてしまったが、ハンドルを握る私の手は緊張と喜びで微かに震えていた。
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