15人が本棚に入れています
本棚に追加
/21ページ
「たっだいまー!」
「おう、おかえり」
先ほどリンと別れ、グミは家に帰ってきた。
「もう、文字化け勘弁してよね!」
「悪い悪い、まあ、読めなかったらさっきみたいにメッセージで返してくれよな」
「めんどくさ・・・」
はぁ、とグミはため息をつく。
今グミと話しているのは、グミの兄、学。
今は大学生だが、高校生のころアメリカに留学をしていたこともあり、英語は得意中の得意である。
「英語なら教えてやれたのになぁ」
「仕方ないじゃん!今あたしが話したいのは『中国語』なんだからっ!」
「ふーん・・・まあ頑張れよ」
「えー!?何その気力ない応援!妹が今頑張って中国語を覚えてるのにー!!」
「ああ、泣くなって!わかったよ。頑張れ!」
「よし、いいでしょう」
「すげぇ上から目線・・・」
ふとグミはテレビをつける。すると、バラエティに今話題の中国人アイドルが出ているのを見つけた。
「ふーん、洛天依(ルオ・ティエンイ)か・・・」
年齢はグミとほとんど変わらないだろう。まだ、高校生くらいの少女だ。
「ミナサン、コンバンハ」
まだ不器用な日本語で、一生懸命話している。
「あたしも、頑張らなきゃ」
グミは、無意識に呟いた。
最初のコメントを投稿しよう!