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「信頼してない相手を好きになるって気持ちがまず私にはわかんないんだけど……そういう人によくあるのよね」
「何が？」
「ダメな男から離れられない。浮気ばっかり繰り返す男だけどそれでも好き、とか。働かない男に家に居座られたりとか」
美佳がとんでもないことを言う。
しかも、しみじみと私の顔を眺めながら、だ。
「ちょ……嫌なこと言わないでよ。そこまで馬鹿じゃないもん」
「いやいや……アンタ危ないわー」
そう言って、美佳はぱくんとスプーンを口に入れ、オムライスの最後のひと口を咀嚼する。
失礼な。いくらなんでも、そこまで恋愛に執着するタイプではない……と思う、のだけど。
「信頼より好意が先に立っちゃうってことは、そういう要素があるってことよ絶対」
いかんせん、恋愛経験極微量の私よりは美佳の言葉の方が断然、真実味がある。
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