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随分長い間うつむいていたのかもしれない。
旋毛辺りで、ぽんぽんと柔らかく跳ねる手の感触があって、美佳の声が聞こえた。
「何がそんなに不安なのよ？」
顔を上げると、さっきの揶揄うような表情は消えて心配そうに私の顔を覗き込む視線と目が合う。
「……私達って」
「うん？」
「付き合ってるのかな？」
「何を今更」
私の問いに驚く様子もなく美佳はそう返して来たから、ある程度私の不安の予測はついていたのだろう。
私は多分、そんな美佳に言葉をもらって安心したいだけなのかもしれない。
「好きだよ、とは言われた。でも、一度だけだし付き合おうとかそんなことは何も言われてない。そういうもんなのかな？」
「…間宮さんからしたら、それで十分伝わってると思ってるんだと思うけど？ はっきり言葉で確認したい気持ちはわかるけどね」
「好きだよ、とか。……そんなに好きでもなくても、言えるでしょ」
それこそ、身体目当てでも。
そう付け足した私に、美佳は今度は少し驚いたのか目を見開いた。
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