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どのくらい意識がなかったのか解らないが私の耳に小鳥達のさえずりが聞こえて来る。
私は目を瞑りながら「あぁ……やっぱ天国に変えてくれたんだ」とか呑気に思っていた。
意識は戻っていたが暖かな太陽の日差しと小鳥達のさえずりで癒やされていた私は、暫く起きずに大の字のまま寝ていた。
そして更に耳をすませば聞こえて来る木々のざわめき。
心地良い風が鳴らす、その音も私の起きる力を削いで行く。
「天国って素晴らしいなぁ……」
まだ目を瞑り一人、大自然の恵みを堪能する私はふと気付く。
「大自然!そもそも天国って大自然なの?確かに花畑みたいな物があるイメージだけど風は天国でも吹くの?てか太陽は天国にもあるの……はっ!?」
冷静に考えた私は目を一気に開けた!
するとそこには……
「うん。普通の山の中って感じです教授!?」
「そうだね山だね、どう見ても?」
「ですよね!これ天国じゃないですよね教授!……って、あれ?」
私の独り言に誰かが確実に返した。しかも教授役で……
そう思い慌て声のした方へ振り向くとそこには!
「武士!武士が居る!」
私の目の前には刀を腰に差し袴を見事に着こなす完全なる武士が立っていた……めっちゃ爽やか笑顔で!
「武士だけど、そんな珍しくは無いだろ?変な娘だな。ふふふ」
(喋った!武士喋った!てか生武士すげぇ!超カッコイイ!もう斬られても悔い無し!てか天国じゃねぇな此処は……武士居るか天国って?あっ!ついに出来たんだタイムスリップ!あの世を一回経由するのかタイムスリップって!なるほど!)
一人納得し更に生武士に感動していたらリップサービスなのか、まだ喋り質問までしてくれた。
「一つ聞きたいんだが妙な格好をしているがキリシタンでも無さそうだし、かと言って南蛮人って格好でも無い。何者なんだ?」
南蛮やらキリシタンとか言うくらいだから時は戦国時代くらいか……確かに、その時代ならば私の格好は奇妙奇天烈だろう。
女子高生のブレザーで、しかもスカート超ミニ。
こんなに女が肌を露出するのは、この時代ならば、有り得ないし先ず変出者扱いされる事間違いなし。
何と答えるべきか私は頭の中で考えた……
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