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気を取り直し再チャレジ。
「ピエ~ル!」
「……」
「アンソニー!」
「……」
「じゃあ!ポチ!…………おやおや?」
ポチで一回振り向いたラビットチャン。再度同じ名前で確かめた。
「ポチ!」
やはりチラ見した。どうやらポチはまぁまぁらしい。では!
「タマ!シロ!チビ太!……おっ!?チビ太!……やはり!」
どうやらチビ太が一番お気に入りらしく食べるのを止め二歩くらい近付いて来た。
この機を逃すまいと連呼する。
「チビ太?おいで!?チッチッチッおいでチビ太?」
私の優しい問いかけにチビ太は半分くらいまで近付いた。これは行ける!と更に呼んだら……
「チビ~太?」
「……!?」
プイッとしてまた離れ草を食べていた。
「このウサギの分際で生意気な!もう頭来た!意地でも捕まえてやる!」
もう策なんか練るのを止め突撃した。
しかしチビ太は素速く何度追いかけても距離は縮まらず、等々疲れ果てた私は地にヘタレ込んだ。
「駄目だ。チビ太を捕まえるなんて無理なんだ。野生を舐めた私の完敗だ……」
そう言って落ち込んだ私の側に来た半兵衛さんが笑いながら私の頭を撫でてから言った。
「彩夏なにかに気付かないかい?」
「えっ?」
言っている意味が解らず首を傾げた。
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