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「うっ……私は無罪。地獄なんてあんまり!嫌だぁ!」
「しっかりなされ!」
「しっかりしてるわよ!……えっ?」
突っ込みを入れて何か変だなと思い我に返った私は一気に目を開けた。
「もう大丈夫そうですね?何度もうなされ叫んでいたので焦りましたが」
そう私に言って来た長い髪を女性の様に縛り肌は色白な男?女?とも見えなくもない人が優しく微笑んでいた。
「えっと……誰ですか?」
尋ねてから頭の中を整理した。
「確か……チャリ女を助けて死んで……閻魔が……地獄で……男女が居て……」
尋ね放置し考えてる私に向かい男女が名を言った。
『竹中 半兵衛』と。
名を聞く限り男と解ったが、それよりも自分の今の状況が解らない為に辺りを見渡し確認した。
「ここどこ?」
見渡すと緑豊かな樹木に囲まれていた。
私が最後に見た桜の木ではなく全く違う木だった為に尋ねていた。
「ここは美濃の山中ですよ。何処から来たのですか?見る限り、着る物も珍しくこの美濃の方で無いのは解りますから」
「美濃?……美濃……美濃……何か聞いた事ある様な……」
「美濃を知らぬのですか?」
「ぬのですか……ぬのですか……ぬのですね……って何時代よ!」
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