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半兵衛さんに連れられ歩くこと15分くらい。
山中にポツリと佇む小さなボロの平屋が見えて来た。
「まさか、あれじゃないよね……」
思わず口に出そうなのを必死に唇を閉じて我慢した。
「着きました。あれが我が住まいです」
にこりと笑い指差してる半兵衛さん。
「んん~ん」
唇閉じて我慢したままのを忘れ返事していた。
「どうされました?苦しそうな声を出して?」
「あっ!い、いえ。中々……うん……古風で味がある住まいですね……はははっ」
お世辞言うのも大変なくらいボロボロだった住まい。
「気に入って頂けましたか?」
気に入る人を探してみたいもんだが、そこは可愛く微笑み返事をする。
「はい。静かで落ち着くし山中に住む何てアウトドア感が一杯で解放感!万歳!…………」
(しまった!思わずアウトドアとか未来語を!!)
「アウトドア……とは?南蛮か何かの言葉ですか?」
「南蛮 ……それだ!」
閃いた私は今後とことん南蛮をフル活用して話してやろうと……
「そうです。南蛮語で簡単に言うと外で楽しくみたいな感じですかね……」
そう言ってチラリと半兵衛さんの顔を覗くと。
「左様ですか。それは良い事を聞きました。アウトドア……アウトドア……」
そう言って半兵衛さんは嬉しそうにアウトドアを繰り返し覚えようとしていた姿は少し可愛いかった。
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