681人が本棚に入れています
本棚に追加
ボロ屋敷……いやいや半兵衛さんの家に招かれ入り、どこがリビング?とか思いながらも囲炉裏の前に正座し座った。
そこへボロ屋敷に似つかわしくない綺麗な着物を来た優しそうな笑顔が印象的な女性が入って来た。
そして女性は、私の対面に膝から下の着物を綺麗に折りながら座りこちらを見て来た。
何か見られてるし、取り敢えず何か言わなければと挨拶した。
「あ、あの今日からお世話になります竹中 彩夏です……宜しくお願いします」
緊張しながら挨拶した私に向かい微笑んだ綺麗な女性。
「話は重治様から聞きました。重治様の妻の得月院と申します」
「重治……って誰ですか?」
聞いた事がない名前を聞き尋ねたら……
「ふふ。半兵衛様の本当の名です」
「あっ!同一人物だったんですね……失礼しました!」
「気になさらなくて良いです。それで?」
「えっ?」
思わず尋ね返したが「それで?」の意味が解らない。「それで?」の後に何を答えるの?と頭の中が疑問符だらけだ。
「ふふ。可愛い……歳は17くらいでしょう?」
「はい!ドンピャです」
「ドンピャ?」
「あっ…………」
またついやってしまったmy南蛮語。取り敢えず得月院さんに説明する。
「ドンピャとは一寸の狂いもなく当たっているみたいな南蛮語です……」
そう言ってチラリと得月院さんを見ると半兵衛さんと同じ様に「ドンピャ……ドンピャ」と繰り返し嬉しそうに覚えていた。
なんだか似てる二人を見て仲が良い夫婦何だろうなぁ。とか思うと羨ましく見えたりした。
最初のコメントを投稿しよう!