第1章

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「彼女さんはどういう雰囲気の方ですか?」 「えーっと…シャープな感じかな。あんまり可愛いって感じじゃない…とか言ったら怒られるけど」 俺の答えにクスリと笑って「美人さんなんですね」と言った。 彼女に似合うものを、と相談する形で色々と話をしていった。 「年齢をお伺いしても?」 「あぁ、今月の20日で23です」 「あ、そうなんですか」 なんだか一瞬驚いたように見えたのは気のせいか? 「お仕事されてるんですか?」 「はい。グラフィックデザインとかいう」 「…へぇ…凄いですね」 また。一瞬目が開いた。 「…誕生石を使ったものも良いかもしれませんね」 そう言いながらケースから出したのは、ペンダントだった。 「こちらは5月の誕生石のエメラルドを使ってるんです」 オープンハートに小さな緑の石が光っていた。 「リングもございますよ」 「んー、どっちがいいかなぁ」 「普段どちらか付けておられますか?」 「指輪はしてないかな…ペンダントしてんのは見たことある」 チラリと見たショーケース。 そこに見覚えのあるペンダント。
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