第1章

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「あれ、それと一緒のヤツ」 「え?」 「これです。これ付けてました」 俺が指差したのは花びらのようなモチーフのペンダントだった。 「こちら、ですか」 「うん。これこれ、一緒だと思う」 「……」 ペンダントをじっと見つめる森下さんを不思議に思い「あの?」と声をかける。 「あ、すみません。…そうですか…当店にお越し頂いた事があるのかもしれませんね」 そういえばこの店オリジナルだって言ってたな。 透明のガラスケースに乗せられた指輪にしようかな、なんて思ったところへ 「リングでしたら裏にお名前入れられますよ。イニシャルでも」 「うん、じゃぁそうしようかな。名前も入れてもらおかな」 それでは、と紙とペンを渡され彼女の名前を書くように言われた。 「HIKARI」と書いて、やっぱりイニシャルにしようかと顔を上げて森下さんを見ると、俺の手元を凝視している。 「彼女さん…ヒカリさんって仰るんですか」 「は…い。え、どうかしました?」 さっきから感じてた森下さんのおかしな様子が確信的になった。 「あの…お客様、その…光さんの苗字…宮野、ですか」 「えっ。光のこと知ってるんですか?」 驚く俺。 だけど目の前の森下さんはもっと驚いていて、目を見開いたあと、目を伏せた。
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