第5章

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「さあ、俺の胸に飛び込んでおいで」 飛び込んでそのまま押し倒してやろうか。 嬉しいけどキツイ。 本当には出来ないのがキツイ。 生殺しって感じ…。 「ははっ、大樹でもふざけたりするんだね」 切なくて自分から笑って流そうとした。 「え?ふざけてないけど」 「……へ?」 「ん」 何で来ないの?とでも言いたげにまた両手を広げる。 ええい、もうどうにでもなれっ! 俺は勢いに任せて胡座をかいた大樹の前に、背中を向けて三角座りで座った。 すると、当たり前かのように大樹も足を立てて俺を包み込んだ。 ヤバい… 想像以上の破壊力 「これで怖くないでしょ」 そう言ってリモコンで一時停止になっていた画面を再生する。 なんで大樹はこんな状況で普通なんだろう。 それは 俺に特別な感情がないから だよな。
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