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「さあ、俺の胸に飛び込んでおいで」
飛び込んでそのまま押し倒してやろうか。
嬉しいけどキツイ。
本当には出来ないのがキツイ。
生殺しって感じ…。
「ははっ、大樹でもふざけたりするんだね」
切なくて自分から笑って流そうとした。
「え?ふざけてないけど」
「……へ?」
「ん」
何で来ないの?とでも言いたげにまた両手を広げる。
ええい、もうどうにでもなれっ!
俺は勢いに任せて胡座をかいた大樹の前に、背中を向けて三角座りで座った。
すると、当たり前かのように大樹も足を立てて俺を包み込んだ。
ヤバい…
想像以上の破壊力
「これで怖くないでしょ」
そう言ってリモコンで一時停止になっていた画面を再生する。
なんで大樹はこんな状況で普通なんだろう。
それは
俺に特別な感情がないから
だよな。
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