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映画が終わり窓を開けて確認するまでもなく、部屋の中でも雨音は聞こえている。雨音だけでなく風もかなり強そうだ。
「浩平くーん、先にお風呂使って」
「……へっ」
「へっ、って。止みそうにないし、もう泊まるよね?」
「う、うう、あ、いや、あの、うん」
返事にならない返事に大樹は肩を震わせて笑っている。
「はい、タオル」
手渡されたタオルを握り締め、ヨタヨタと浴室へ向かう。
映画を観ながら少しだけビールを呑んだけど、酔うほどではない。
だけど、足がもつれる。
「あわわ」
浴室の前でついに転けた。
「大丈夫?!あれ、そんな酔ってたっけ?」
驚いた大樹が俺の腕を掴んで起こしてくれた。
「大丈夫、ちょっと足がもつれただけ」
恥ずかしくて下を向いたまま答える。
「そ?気をつけてよ」
優しい声に頷いてそそくさと浴室へ入った。
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