406人が本棚に入れています
本棚に追加
悶々としていると、大樹が浴室から出てきた。
濡れた髪とTシャツに短パン姿がいつにも増して色気を垂れ流している。
ゆっくりとこっちへ歩いて来ると俺の傍に腰を下ろした。
「まだ風強いね」
さっきの俺みたいにビールを呑み「ふぅ」と息をついた。
「あぁ…うん、そだね」
答えると大樹がこっちをジッと見つめた。
え、俺なんか変なこと言ったかな…
戸惑っていると大樹は床に手をつき、膝をついて腰を上げた。
四つん這いのような格好で俺にグッと近付く。
突然のことに動けず声も出ない。
頭の中もパニックだ。
えっ?えっ?なになになになに
大樹の顔が十数センチ、という所で思わず目を瞑ってしまった。
すると、気配は俺の横をすり抜ける。
ハッとして目を開けると、俺の横にあるベッドに片手をつきもう片方の手でカーテンをシャっと閉めていた。
最初のコメントを投稿しよう!