てるてるぼーず。

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「お前の親父。 勇者・ルーイさ」 はっきりと勇者の名前を挙げるアリト。 流石にこれにはミオラも驚きを隠せない。 「ほう。 貴様はあの憎き勇者一行の生き残りか。 しかし勇者とやらも情けなかったな。 平和ボケも甚だしいな」 魔物はフンと鼻で笑った。 「……勇者を……いや、大切な仲間を殺した。 そして愚弄した。 その罰は受けてもらう……」 剣を魔物へ向け闘気を出すアリト。 その迫力に周りにいたもの皆目を奪われた。 「ぐ……」 迫力に負けないように魔物は踏ん張る。 「撃破(げきは)の炎よ。 我に力を……。 真火クロスカット!」 雨にも負けない燃え盛る炎を纏った剣でアリトは躊躇することなく魔物に斬りつけた。 「ぐはぁぁぁ!」 焼け焦げる匂いと共に雄たけびを上げながら魔物は消えた。 「消滅……?」 キョロキョロとミオラは周りを見渡した。 「くそ、後一歩で逃げられた……」 ハァハァと肩で息をしながらアリトは悔しそうに言う。 アリトが斬りつけた瞬間、魔物は瞬間移動したのだ。 「オイ! 雨がやんだぞ!」 一人の町人が叫ぶ。 降り続いてた雨が魔物消滅と同時に病んでいた。 「おお! 勇者様のお陰だ!」 町人達は雨がやみ歓喜に満ち溢れた。
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